釧路日記
2015.10.30
釧路には20年ぶりに来ました。その頃は電機メーカーの営業マンでしたのでお得意先様の接待旅行の添乗という特殊な役割で、千歳空港から飛行機を乗り継ぎたどり着いた12月で早い夕暮れの釧路空港から、まっすぐホテルへ入り、宴会、二次会と盛り上げ、翌日はタンチョウヅルを観て、市場で買い物をして帰るというお約束のコースをひたすらお客様のアテンドに徹して、再び飛行機で帰るという、寒かったなあ、食べ物は、そこそこだったかなあという何とも寂しいものでした。なので釧路がこんな町という記憶は、せいぜい雪原に鶴がいたなあというものです。
今回は前後泊をいれて5日間の滞在ですので、少しは楽しめるかなと期待しての釧路入りでした。が、釧路駅から港までの閑散とした風景は少々寂しい感じでしたが、幣舞橋の夕陽はさすがに美しいなあと写真を撮ったり、和商市場で海鮮丼を食べたりと研修の隙間時間を埋めていました。食べ物に関しては、20年前と違うのはSNSなどにより情報が直ちに補完され、はずれが少ない店に誘導されるということです。1軒目:スパかつ『泉屋本店』、B級グルメというと失礼になるかもしれませんが、釧路市民に愛されている街中のレストランの定番メニューでした。スパゲティナポリタンの上にカツが乗りデミグラスソースが掛かっているというカロリーたっぷりの一品。お腹がいっぱいになるのはもちろん、満足度100%でした。似たような組み合わせの定食が遠く長崎市内の喫茶店で『トルコライス』として出されているのを思い出しながら、しっかりといただきました。
2軒目:行程後半で釧路地域は太平洋側から台風が直撃するという異常な天気になってしまい、ホテルに缶詰めになってしまいました。インターネットで映画を見て過ごしましたが、午後には雨も峠を過ぎて何とか動けそうになって来たので、本物の映画を観たいなあと思って、エリア検索したところ、釧路市内には映画館がありませんでした。隣の釧路町にあるショッピングセンターにシネコンが出来て街中から映画館が消えてしまった、全国の中小の市町村で良くある構図です。ところが釧路市内には、『映画館』が残っていました。しかも滞在するホテルの目の前、規模的に小さいので単館系の劇場かなと期待して、まだ風の強い中突撃しました。が、そこにあったのは『喫茶、映画館』でした(笑)ライブハウスのスペースもあるけど純粋な喫茶店で、名前は別にして台風に閉じ込められていた身には息抜きの出来る場所が見つかり助かったなあというところ。なぜ『映画館』なのかは聞き忘れました。
3軒目:釧路に来たら「そば」よと言われていましたので、台風で船が帰って来ている釧路港を望む丘を越えて『竹老園東家総本店』に行きました。またまたSNS仲間の指示通り「ぬき」と「もり」をお願いしました。「ぬき」というのは蕎麦抜きの、いわばスープだけ。これが滋味深くて美味しいのです、鶏肉の出汁がしっかりと効いて旨味がたっぷりです。北海道で最初に出来たお蕎麦屋さんとして名前は通っているけど、けして観光客が来るところではないのですが、昼前にほぼ満席になっていて、地元の方に愛されている店なのですね、しかも皆さんが「ぬき」を注文される。そしてお蕎麦は茶そばで(お茶でなくクロレラが練り込まれているのだそう)、それを海苔で巻いた『そば寿司』を注文しました、あっさりさっぱりと美味しい一品でした。凝ったお庭や建物の造作も良いのですが、やはり看板の商品が美味しいことこれが一番です。